珈琲工房しいの木 アウベルクラフト

ダンパーを付けない理由

Reason for no damper

遠赤コーヒー焙煎キット
遠赤コーヒー焙煎キット

ダンパー機能とは?

コーヒー豆を焙煎

プロの焙煎機には温度センサーや吸排気装置や冷却装置、そしてダンパー(蓋のようなもの)と言われる装置があります。これらを駆使しておいしいコーヒー豆を焙煎するわけですね。

このダンパーと言われる部分を閉めることによって焙煎機内の熱を上昇させたり内部の蒸らし効果を高めたりします。

簡単に言うと、生豆が熱せられると生豆に含まれている水分が蒸発します。この水分をダンパーを閉めることで焙煎機内に貯めて蒸らし効果を出すのです。

ですから火加減、ダンパー調節、時間をその豆ごとに最適にすることでコーヒー豆のおいしさを引き出すことができるわけですね。

これがプロの世界でとても重要視されているダンパー機能です。もちろんこの熟練した技を習得することはとても難しいことで、これがプロのプロたる所以ですね。私たちもよく見学させていただきますがとても一朝一夕で真似できることではありません。

コーヒー焙煎キットにダンパー機能を付けていない理由

最近はコーヒー焙煎の書籍やネットで多くのコーヒー焙煎の情報が得られるようになりました。そこにはダンパー機能についての重要性が書かれているので、時々お客様より「このコーヒー焙煎キットにはダンパー機能がないようですが大丈夫ですか? この機能を付けてくれませんか?」というご質問やご要望をいただきます。これについてアウベルクラフトの考え方をお話しさせていただきたいと思います。

プロの焙煎家の方達でもダンパーの効果を出すのはとても難しいそうです。またダンパーが味に関わってくるのは焙煎量が1kg以上の焙煎釜で焙煎する場合だそうです。とは言いながら当然私たちもダンパー機能については興味がありますからいろいろ実験をしていました。私たちだけではなく、プロの焙煎家の人たちにも試験的にコーヒー焙煎キットにダンパー機能を付けたもので試していただきました。

この実験の結果、「遠赤コーヒー焙煎キットにダンパー機能を付けても違いが全く判らず、焼き方も返って難しくて意味がない」と言う結論をいただきました。私たちも同様のテストを繰り返しましたが同じ感想です。コストを高くしてそういう機能を付けても、使い方も複雑になり意味がないことと考えています。

そういう機能よりもこの遠赤コーヒー焙煎キットの良さは「焙煎の具合が焙煎途中ではっきり見えること」「焙煎のムラが極端に少ないこと」そして何より「焙煎することが楽しいと思えること」こそがプロの焙煎家の人たちも認めてくれている良さだということを知っていただきたいのです。

焙煎方法の工夫

それで私たちはこのコーヒー焙煎キットに合った焙煎方法を工夫することでよりおいしくなる方法をいろいろ試行錯誤しています。その一つの例についてご説明させていただきます。

【火加減の調節による方法】
1)煎り始めから「1ハゼ」前までの乾燥工程では中火より少し弱くしてゆっくり乾燥させる。
2)豆の乾燥が進んできたら「1ハゼ」に入りやすいように火力を強め中火よりやや強くする。
3)「1ハゼ」が始まったら中火に戻し表面焼けを防ぐ。
4)「1ハゼ」から「2ハゼ」以降で消火ポイントを見極める。(生豆にあった好みの焙煎の深さにする)

このように行程中の火力調節に気を使うことでおいしさに違いが出てきます。

【焙煎時間による方法】
また焙煎時間によっても味の違いが出てきます。

 A)焼き上げまでに8~10分で行う、強火焙煎。
→生豆の特徴が強く出ます。
B)焼き上げまでに15~20分で行う、弱火焙煎。
→生豆の特徴が押さえられ軽い仕上がりになります。

と言った2種類の方法で同じ豆でも驚くほど違いが出てきます。ぜひお試しください。

プロの焙煎家の方達も以上の方法によってコーヒー焙煎キットの良さを引き出し、サンプルロースターとして使用していただいています。

私たちは初心者の方でも気軽においしいコーヒー焙煎を楽しんでいただける事が最も大事なことだと思っています。その意味でシンプルでいかに良質な焙煎ができるかを追求してこの遠赤コーヒー焙煎キットを作りました。

もちろん私たちはこれで完成だとは思っていません。今後もより使いやすいコーヒー焙煎キットを目指して改良していきたいという想いは今も変わっていません。ぜひみなさん今後ともご意見ご要望をお気軽にお聞かせください。

良い焙煎をしても抽出方法が間違っているかも

それから、せっかく上手に焙煎してもそのおいしさが充分出ないという声をお聞きします。詳しくお話をお聞きすると間違った抽出方法をしている方が多いのです。

実際にアウベルクラフトで私たちが焙煎してその場で淹れてあげるとみんなおいしいと言います。その豆を持って帰ったお客様がこんなことを言いました。「同じ豆なのに私が淹れると全然あの味にならないんですけど?」
良く話を聞くと、自己流で抽出しているのがわかりました。つまりせっかく良い焙煎をしても抽出方法が間違っている人が意外に多いのです。

よい抽出法についても「おいしく淹れる方法」でご説明していますのでぜひご覧いただいて、おいしく抽出していただきたいと想います。

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